肌の調子ひとつで、鏡の中の自分の印象が変わる。
「乾燥してる…」
その小さなサインは、心まで曇らせてしまうこともありますよね。特に30代を超えると、肌の潤いは自然には保てなくなっていくもの。でも大丈夫。乾燥肌は”体質”ではなく、”状態”です。つまり、正しい知識とケアで潤いを取り戻すことはできるんです。
ここでは乾燥肌のメカニズムや対策方法、おすすめの食材などを紹介していきます。
乾燥肌のメカニズム
乾燥肌とは、肌の角質のある「うるおい成分(セラミドやNMFなど)」が不足して、水分が逃げてしまいやすい状態のことです。年齢を重ねるごとに皮脂成分が減り、肌のバリア機能も低下してしまいます。さらに紫外線や摩擦、ストレスなどの外的要因も肌を乾燥させる要因になります。肌の内側と外側、どちらのケアも重要になります。
肌のバリア機能が低下する原因とは?
毎日しっかりスキンケアをしているのに、なぜか肌がカサつく、粉をふく、ヒリヒリする…。
それは「肌のバリア機能」が低下しているサインかもしれません。そもそも私たちの肌は、外部の刺激から守り、内側の水分を保つという”大切な役割”を担っています。そのバリア機能がうまく働かなくなると、肌の潤いは逃げやすく、乾燥や肌のトラブルの原因に。
では、バリア機能が弱まってしまうのは、なぜなのでしょうか?

1.加齢によるターンオーバーの乱れ
肌の生まれ変わり=ターンオーバーは、20代前半をピークに徐々に遅れがちになるといわれていますが、実は10代の第二次成長期を迎えたあたり女性は生理が始まった頃から老化が進み始めます。
古い角質がいつまでも肌表面にとどまり、新しい細胞がスムーズに出てこられなくなると、角層が不安定になり、水分をしっかりキープできなくなります。
これが、年齢を重ねるほどに「うるおい不足」を感じやすくなる大きな理由の一つです。
2.紫外線によるダメージ
うっかり外出や曇りの日でも油断は禁物です。紫外線は肌の奥、真皮層にまで届き、細胞をじわじわと傷つけます。
このダメージはバリア機能にとって深刻で、肌の水分保持力を低下させる原因になります。
「紫外線=シミやシワ」だけでなく、「乾燥肌」も招くと心得ておくことが大切です。
3.洗いすぎによる皮脂・うるおいの流出
毛穴汚れや皮脂を気にするあまり、ゴシゴシと洗顔したり、クレンジング力の強すぎるアイテムを使ったりしていませんか?
本来、肌に必要な”うるおいバリア”まで洗い流してしまうと、肌はスカスカの無防備状態に。
「洗う」ことは「落とすこと」だけでなく、「守ること」でもあります。そんな意識を持ってスキンケアを見直してみましょう。
4.睡眠不足やストレスなど、生活習慣の乱れ
毎日の睡眠は、肌の修復タイム。
ところが、寝不足や強いストレスが続くと自律神経のバランスが乱れてしまい、肌はダメージの回復がうまくできなくなってしまいます。
さらに、ストレスホルモンは皮脂の分泌を増やすこともあり、乾燥とベタつきの両方が同時に起きる「ゆらぎ肌」へつながることも。
5.空気の乾燥や冷暖房
秋冬の乾燥した空気、そして夏のエアコン。どちらも肌の水分を静かに奪っていく存在です。
特に室内で長時間過ごす人ほど、空気の乾燥対策が重要です。
加湿器の使用や水分をしっかり含んだスキンケアで肌の内側から守りましょう。
まずは「原因を知ること」から美肌は始まる
乾燥肌は”肌の怠け”ではありません。日常のちょっとした習慣や環境が重なって肌のバリア機能が崩れてしまうのです。
大切なのは「なぜ乾燥しているのか?」という原因を見つけて、優しく整えてあげること。
あなたの肌は、もっと潤いに満ちたふっくら肌になれる可能性を持っているのです。
乾燥肌が進むNG習慣といますぐ見直すべきポイント

NG①熱すぎるお湯での洗顔・入浴
[ついやってしまいがち]
「毛穴汚れが気になるから」「温まって気持ちいいから」と、熱いお湯で顔や身体を洗っていませんか?
でも実はこれ、肌のうるおい成分である”皮脂膜”を奪う大きな原因に。
[見直しポイント]
ぬるま湯(32〜34℃程度)がベスト。洗顔も入浴も「ぬるめ」が肌にやさしいお約束です。
とくに朝は寝ている間に分泌された皮脂を落としすぎないように、摩擦レスでサッと洗う程度に。
NG②クレンジングや洗顔でゴシゴシこする
[こんなクセないですか?]
・アイメイクを落とすとき、強くこすってしまう
・洗顔の泡立てが不十分で、手でこすってしまう
・朝も夜もW洗顔を毎日している
[見直しポイント]
ポイントは「摩擦ゼロ」の意識。クレンジングは肌の上で優しくすべらせるように、洗顔はしっかり泡立てて”泡で洗う”のが鉄則です。
朝はぬるま湯だけでも十分な日もあります。洗いすぎはうるおい不足の第一歩です。
NG③紫外線対策を怠る

[油断しがちなシーン]
・室内にいるから日焼け止めは塗らない
・日差しが強い日しか対策しない
・日焼け止めの塗り直しをしない
[見直しポイント]
紫外線は、晴れでも曇りでも屋内の窓際でも降り注いでいます。肌内部にじわじわとダメージを与え、バリア機能を弱める要因に。
毎朝のスキンケア後に”習慣化”するのが理想。日中の塗り直しは、スプレータイプやUVパウダーなどで気軽に。
NG④保湿のタイミングが遅い
[ありがちなNG習慣]
・入浴後、スマホをいじったり、子どもの世話をしてからスキンケア
・化粧水を付けてから、乳液やクリームまでに時間が空いてしまう
[見直しポイント]
”お風呂上がり3分以内の保湿”は、美容の鉄則。肌の水分がどんどん蒸発していく前に、すぐにフタをしてあげましょう。
スキンケアは「間髪入れず」が大切。スプレー化粧水を常備したり、子育て中なら洗面所に保湿グッズを置くのもおすすめ。
NG⑤食生活の偏りと水分不足
[忙しい毎日にありがち]
・朝食を抜いてしまう
・野菜より炭水化物中心の食事
・1日コーヒーやお茶ばかりで、水をあまり飲まない
[見直しポイント]
美肌づくりは”内側から”。皮膚の細胞をうるおわせるにはバランスのよい栄養とこまめな水分補給が欠かせません。
ビタミンA・C・E、鉄分、亜鉛など意識しながら、白湯や常温の水を1日1.5〜2Lを目安に。
朝食にヨーグルト+フルーツをプラスするだけでも、肌に嬉しい変化が。
NG⑥睡眠の質を軽視している
[ついやってしまう行動]
・寝る直前までスマホを見ている
・夜更かしして睡眠時間が短い
・寝つきが悪く、熟睡感がない
[見直しポイント]
睡眠中は”肌の修復タイム”。とくに22時〜2時の間は、成長ホルモンが活発に働く「美肌のゴールデンタイム」と呼ばれています。
寝る前のスマホはブルーライトで睡眠の質を下げてしまうので、音楽やアロマなどで緩やかに眠りのスイッチを。
今すぐできることから、肌は変わっていく

乾燥肌の原因は、特別なことではなく、実は日々の”ちょっとしたクセ”の積み重ね。
だからこそ、1つずつ見直すことで肌は少しずつ確実に応えてくれます。
「肌に優しくする=自分を大切にすること」
そんな意識を持ちながら、丁寧なスキンケア習慣を取り入れていきましょう。
乾燥肌に効くおすすめ食材と摂り方ガイド
乾燥肌の根本ケアには、外側からのスキンケアだけでなく「内側からのうるおいチャージ」も欠かせません。
ここでは、肌のバリア機能を支え、みずみずしさをキープするための栄養素とその栄養素をたっぷり含む食材をご紹介します。
[ビタミンE]血行促進&潤いを保つ「若返りビタミン」

◎効果
ビタミンEは抗酸化力が高く、肌細胞の老化を防ぐ上に血行を促して肌に栄養と水分を届けるサポートをしてくれます。
◎おすすめ食材
・アボガド
・ナッツ類(アーモンド・くるみ)
・かぼちゃ
・ひまわり油
◎摂り入れ方の例
・朝食のトーストにアボガドをのせて”美肌オープンサンド”に
・おやつ代わりに素焼きアーモンドを一握り
・かぼちゃのポタージュにオリーブオイルをひとたらし
[オメガ3脂肪酸]炎症を抑え肌のバリア力を底上げ
◎効果
体内で作れない必須脂肪酸。肌の細胞膜をしなやかに保ち、乾燥によるかゆみ・赤みを予防する働きも。
◎おすすめ食材
・青魚(サバ・サンマ・イワシ)
・えごま油・アマニ油
・くるみ
◎摂り入れ方の例
・焼き魚を週2〜3回の夕食メニューに
・アマニ油を納豆やサラダにかけて
・スムージーにくるみをトッピングしてプチ贅沢に
[ビタミンC]うるおいの鍵「コラーゲン生成」をサポート
◎効果
コラーゲンをつくるのに不可欠な栄養素。肌にハリを与え、乾燥による小ジワやくすみを防ぐ役割も。
◎おすすめ食材
・キウイ
・ブロッコリー
・赤パプリカ
・いちご
・レモン
◎摂り入れ方の例
・朝にキウイ+ヨーグルトで美肌デザート
・夕食にブロッコリーとパプリカの温野菜サラダ
・レモン水を日中の水分補給にプラス
[セラミドを増やす食材]肌の水分保持に直接アプローチ
◎効果
セラミドは肌内部の水分をしっかりキープする”うるおいの壁”をつくる成分。食品からの摂取で内側からのうるおい力UPが期待できます。
◎おすすめ食材
・こんにゃく芋由来のこんにゃく
・大豆製品(豆乳・味噌・納豆)
・米ぬか(ぬか漬けなど)
◎摂り入れ方の例
・夕食にこんにゃく入り煮物
・朝に豆乳バナナスムージー
・副菜に納豆or味噌汁で和食にシフト
[水分補給]シンプルだけど一番大切!

◎見落としがちなポイント
「乾燥=化粧水」と思いがちですが、体の内側に水分が不足しているとどんなスキンケアも追いつきません。
肌の細胞1つ1つに水分を巡らせるために、”こまめな水分補給”が基本。
◎おすすめの飲み方
・朝起きたらまず白湯を1杯
・1〜2時間おきに少しずつ水を飲む(1日1.5〜2Lが目安)
・お茶やコーヒーばかりでなく、”純粋な水”を意識的に取り入れる
食べること=肌への投資。今日からできる美肌習慣
乾燥肌の根本改善には、スキンケアと同じくらい”食の見直し”が大切です。
どんな高価な美容液よりも、毎日の「食べるもの」があなたの肌を作っています。肌に必要な栄養を、バランスよく・おいしく・無理なく。
”内側から整える”という意識を少しずつ摂り入れて、うるおいあふれる素肌を育てていきましょう。
まとめ
乾燥肌は、”自分を丁寧に扱う”ことから変えていけます。肌が変わると気分も変わる」。うるおった肌は、まるでご機嫌な自分を映す鏡のよう。
あなたらしい肌を取り戻すために、今日からできる一歩を始めてみましょう。
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